2026.08.12
障がい児支援レポート
「家の外へ出る機会はごくわずかでした」アクマルくん

タイやインドネシアでWAFCAが出会ってきた、学びに向き合う子どもたちの姿を紹介します。
今回は、インドネシアに暮らすアクマルさん(6歳)のストーリーです。
「今日は公園へ行こう。」
そんな何気ない一言が、以前のアクマル君の家族にとっては簡単なことではありませんでした。
インドネシア・東ジャカルタに暮らすアクマル・イブラヒム君(6歳)は、脳性まひがあります。身体を自由に動かすことが難しく、外へ出かけるときは、いつも両親が抱っこをして移動していました。
それでもアクマル君は、誰とでも笑顔で話し、初めて会う人にも元気にあいさつをする、人懐っこい男の子です。学ぶことも大好きで、自宅近くの学習センターへ通い、毎日熱心に学習を続けています。
アクマル君の両親は、少しでも体を動かす練習ができるようにと、プラスチックパイプを使って歩行器を手作りしました。
「できることを増やしてあげたい。」
そんな家族の思いが詰まった歩行器で、少しずつ歩く練習を続けてきました。
そんなある日、お母さんはジャカルタの脳性まひの子どもたちのコミュニティで、WAFCAインドネシア(WAFCAI)の存在を知ります。
「障がいのある子どもに、一人ひとりに合った車いすを届けている。」
その話を聞いたお母さんは、すぐにInstagramを通じてWAFCAIへ連絡しました。
WAFCAIのスタッフは自宅を訪問し、アクマル君の身体のサイズや座り心地を丁寧に確認。成長や身体の状態に合わせた車いすを製作し、後日、自宅へ届けました。
家族は新しい車いすを心から喜びました。
それは単なる「移動の道具」ではなく、アクマル君の未来を広げる希望そのものだったのです。
車いすが届いてから、アクマル君の毎日は大きく変わりました。
以前は外出そのものが大きな負担でしたが、今ではお母さんと一緒に近くの公園へ出かけ、朝の風を感じながら散歩や日光浴を楽しんでいます。
もちろん、大好きな学習センターへ通う時も車いすが欠かせません。
安心して移動できるようになったことで、学びの機会も、地域とのつながりも広がりました。
「外へ出る」という当たり前のことが、アクマル君にとって少しずつ日常になってきています。
お母さんはこう話します。
「この車いすが、アクマルがもっと外へ出て、たくさんの人と出会い、笑顔あふれる子ども時代を過ごす第一歩になってほしい。そして、いつか自分らしく自立した人生を歩んでほしい。」
その願いは、きっと多くの親が子どもに抱く願いと同じです。
WAFCAが届けているのは、車いすだけではありません。
学校へ行くこと。
友達と出会うこと。
地域で暮らすこと。
学び続けること。
子どもたちが「当たり前の日常」を取り戻し、自分らしい未来を歩むためのきっかけを届けています。
アクマル君が公園で笑顔を見せ、学びの場へ通い続けられているのも、WAFCAを支えてくださる皆さまのおかげです。
一人の子どもの移動が変わることは、その子の毎日だけでなく、家族の暮らしや未来までも変えていきます。
これからも、アジアの障がい児一人ひとりが、自分らしく生きられる社会を目指して活動を続けてまいります。
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